PENDLETON / FEATURE / My Own Private PENDLETON / vol.5:吉田 遊さん

My Own Private PENDLETON vol.5
ペンドルトンが彩る日常:吉田 遊さん(釣り人 / <SNIPEER>主宰)

 

創業以来、160年以上にわたりアメリカを代表するライフスタイル・ブランドとしてそのルーツであるインディジネス・ピープルズ(ネイティブ・アメリカン)はもちろん、アメリカならではの古くて新しいオーガニックな暮らしを彩ってきた<PENDLETON>。新連載「My Own Private PENDLETON」では、そんな日常を編みながら未来へと続くカルチャーを形創る方々をご紹介します。第五回目は「プロバスアングラー」として独自の活動を続ける吉田 遊さんをお招きして、とことん遊び続けることから形創られる吉田さんならではのバスフィッシング・カルチャーの物語を紡いできました。


茨城県土浦のロードサイドにある吉田さんの秘密基地。仲間たちと共にDIYで作り上げた。

 

霞ヶ浦、釣り人、遊び

――吉田さんは拠点の霞ヶ浦をフィールドに、<SNIPEER>というフィッシング・アパレルブランドを展開しながら、バスフィッシングの「プロアングラー」として活動されていますが、パーソナリティを務める各種メディアなどを拝見していて、謂わゆる「プロアングラー」と呼ばれる人たちとは違い、よりライフスタイルやカルチャーを感じる活動をされているように思います。

 

吉田 遊(以下「吉田」): 釣りを生業の一つとしていて、釣具メーカーやアウトドア、スポーツ・ブランドなどからスポンサードを受けながらメディアで釣りをしたり釣具の開発をしているので、周りからは「プロバスアングラー」や「バスプロ」と呼ばれることが多いですが、自ら謳っているわけではないんです。

謂わゆる「プロアングラー」は大会などに出場して結果を残してという方がほとんどだと思いますが、僕は大会には出ません。あくまで僕は一人の釣り人で、釣りは「遊び」。遊びの中で共感してくれる人が増えて、それが仕事になっちゃったって感じです。

もちろん釣りと向き合う中でプロ的な意識もあるし、一部スポンサーさんとはアスリート契約を結んでいてスポーツ的なメンタリティーもありますが、モラルを持ちながら自然の中で感謝しながら遊び、そんなスタイルを発信して共感してもらえる人を増やしていくことが、自分なりの「プロアングラー」としてのあり方だと思っています。

 

©︎Goldwin Inc.

 

釣りキチ三平、釣り人兼草野球の助っ人、車中泊ライフ

――バスフィッシングとは、どのように出合ったのですか?

 

吉田:小学生の頃ブラックバスは図鑑に載っているような幻の魚で、それこそ『釣りキチ三平』の中の魚のような存在だったんです。横浜生まれの海ナシ県埼玉育ちで、そもそも海より池や川が身近な環境で育ったこともあり、どんどんハマっていきました。

思春期になると、野球やブラックミュージック漬けになり一度は離れていたんですけど、大学時代に相模湖畔住んでいたこともあり21歳の頃にまた再開して、それこそ小学校の頃よりお金があるから当時買えなかった道具を買い漁って、そこからどっぷりハマり、30年近く続けています。

再開した当時は、野球道具と釣り道具を車に載せて、車中泊しながら釣りと草野球の助っ人として暮らしていた時期もありました(笑)。家庭も持ち当時とはだいぶ状況は変わりましたが、コロナ禍にVWのキャンパーを購入して最近また車中泊しながら釣りに行くことも増えてきて、ある意味原点回帰しているかも。当時とは快適さが全然違いますけど(笑)。

 

「(キャンパーの中は)まさに暮らしの一部の空間なので、快適なのはもちろん、インテリアとしても楽しみたいから<PENDLETON>のブランケットを愛用しているのですが、いくつか持っていて季節や気分次第で交換しながら使っています」

 

ボートや釣り道具などがところせましと並ぶ、秘密基地のガレージ空間。

 

リビングルーム、インテリア、自然に馴染むパターン

――猛烈な二刀流時代があったのですね(笑)。車の中に<PENDLETON>のブランケットが置かれていましたが、リビングルームのように馴染んでいる感じがしました。

 

吉田:まさに暮らしの一部の空間なので、快適なのはもちろん、インテリアとしても楽しみたいから<PENDLETON>のブランケットを愛用しているのですが、いくつか持っていて季節や気分次第で交換しながら使っています。

<PENDLETON>は中学生くらいの頃に地元の先輩たちが持ったりしていて、馴染み深い存在ではあったんですけど、それこそ大人になって、特にキャンパーを購入してから「これいいじゃん、それもいいじゃん」って増えていった感じですね。

正直、パターンについてなど詳しい知識があるわけじゃないですけど、川や山、動物や魚など、自然の中のものたちが柄に組み込まれているから、存在感がありつつも自分がいる自然の中に馴染む感じがいい。ブランケットの上でいつも気持ちよさそうにしているので、愛犬のGiGiも気に入っていると思います(笑)。

それにしても<PENDLETON>のブランケットって、猛烈にパターンがたくさんありますよね。どんどん増えていってしまいそうで、怖いです(笑)。

 

コロナ禍を経て変化したライフスタイルを楽しみ尽くすために購入した<Volkswagen>のキャンパー「California」。車内用のブランケットは、<PENDLETON>が定番で、愛犬のGiGiもお気に入りの様子。

 

バスフィッシング、ブラックミュージック、自分なりのフィッシング文化

――100パターン以上あるので、いつか是非コンプリートしていただけたらと(笑)。<PENDLETON>もアメリカ発のブランドなのですが、バスフィッシングにブラック・ミュージックと、吉田さんが好きになりとことん遊び尽くしていることって、アメリカの文化と密接に関わっているものが多いですよね。

 

吉田:確かに。でもそれを自分が暮らしている環境に置き換え、ローカライズしながら自分が最高に楽しめるようにできたらと思っていて、<SNIPEER>にしても、立ち上げてからもう20年以上経つんですけど、当時はまだまだマイノリティな文化だったヒップホップにはまっていた自分がファッション的にも気分良く釣りを楽しむことができるような服が欲しくて始めたんです。それこそネタをサンプリングして、新たな価値付けをしながらデザインするような感覚で。

マイノリティが自分たちのやり方で楽しみながら自分たちの価値観を世の中に伝えていくことがヒップホップの本質で、自分が大切にし続けている部分でもあります。最近のヒップホップのイメージは、少し違ったものになってしまっているかもしれないですけど。

バスフィッシングはもともと白人のスポーツとして生まれたもので、最近はアフリカン・アメリカンのプロアングラーも出てきてますけど、アメリカでもまだまだマイナーな存在。日本の釣り界でも自分みたいな存在はマイノリティで、それこそコンペティションでは釣った魚の重さ(ウェイト)で順位が決まるんですけど、自分は大きさが第一な釣り人じゃない。そこにストーリー性を持たせて、いかにハッピーになれるかを大切にしています。

そもそも最高に遊び尽くすことが目的だから、極端な話し一匹も釣れなくてもいいんです。偶然大物が釣れちゃうより、しっかりと計画して釣れた魚の方がサイズは小さくても嬉しい。そんな釣りの楽しみ方を含め、好きなことを見つけて、とことん遊び尽くしていくと、不思議なことにそれが仕事になり、そんなライフスタイルに共感してくれる人が必ず現れてくるから、そんな生き方もありなんだとみんなに知ってもらえるように、これからもとことん遊び尽くしていきたいですね。 

そんなところから、自分たちならではのバスフィッシングの文化を形創くっていけたらとてもハッピーです。

 

「趣味とか好きなことなら常に120%の力を出せると思う。ただ、それが仕事になると稼がなくてはならないから、気づかないうちに70%くらいになってしまっていることがある。だって人間だもの(笑)。それを趣味と同じくらい、120%で楽しめるようになる覚悟みたいなものは必要かもしれませんね」

 

秘密基地のリビングテラスにて。

 

好きこそすべて、120%、遊びに終わりなし

――吉田さんとお話をしてみて、いくら好きなことでも、どうしたらそこまで本気で遊び切れるのか、何か秘訣のようなものはあるのでしょうか?

 

吉田:そこまで深く考えたことはないんですけど、本当にただ好きだからやっている感じです。好きなことだから、120%で追求&探究できるし、単純にそれを実践し続けているだけですね。

実際、趣味とか好きなことなら常に120%の力を出せると思う。ただ、それが仕事になると稼がなくてはならないから、気づかないうちに70%くらいになってしまっていることがある。だって人間だもの(笑)。それを趣味と同じくらい、120%で楽しめるようになる覚悟みたいなものは必要かもしれませんね。

あと、好きなことを嫌いになりたくないから、様々な角度で楽しみ、それらを極めていくことも重要だと思う。遊びには終わりがないから、永遠に楽しみ続けることができるんです。

 

<プロフィール>

吉田 遊

よしだ・ゆう / 神奈川県横浜市出身。現在は茨城県霞ヶ浦を拠点に活躍する大人気プロバスアングラー。その活動は釣りだけにとどまらず、フィッシング・アパレルブランド<SNIPEER(=スナイパー)>のディレクターに加え、さまざまなアパレルブランドやスポーツブランドのアドバイザーやアンバサダーを務めるなど多岐にわたる。レインボータウンFMの人気ラジオ番組「Fishing Train(フィッシングトレイン)」など、各種メディアのパーソナリティーも務める。

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editSohei OshiroCHIASMA

 

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