PENDLETON /Shirts

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A Century of Shirt-Making
vol.1:シャツ作り、100年の歴史

ワークシャツを色鮮やかに刷新し、ブランケットと共に<PENDLETON>の重要なアイデンティティであり続けるシャツは、2024年に誕生100周年を迎えました。ライフスタイルを彩りながら時々のアメリカン・カルチャーを形作ってきた<PENDLETON>のシャツ作りを巡る物語をお届けします。

 

左から192419271936の創成期広告イメージ。

 

ワークウェアの概念を刷新する、鮮やかな革命

1924年当時、ウールシャツは実に味気ない、実用性重視の存在でした。林業や漁業、畜産業など、アウトドアで活動する労働者たちにとって、この頑丈な素材でできた衣服は、温かくて耐久性があり、過酷な自然環境から身を守ってくれていました。

「しかし、より快適で彩り鮮やかなものにできないものだろうか?」

そう考えた<PENDLETON>の創業一族のクラレンス・モートン・ビショップが構想したのは、全く違うタイプのウールシャツでした。既にインディジネスピープルズ(ネイティブアメリカン)との革新的なトレーディングブランケットの製造で業界でもトップクラスとして知られていた<PENDLETON>の技術を、ウールシャツにも転用できるのではないだろうか? 父であるC.P.ビショップに「シャツや靴下などもラインナップに加えるべきだと思う」と提案し、事業化が決まったのです。クラレンスがそれらの商品の製造に必要な設備を整える間、父ビショップは市場調査を行いました。

試行錯誤を重ねた末に、<PENDLETON>の革新的なシャツ用の生地の製造が始まりました。1924年当時、同社が実現した色鮮やかな色合いは他にはないものであり、初期のメンズ・レディース・ボーイズ用のシャツは大きな反響を呼び、特にメンズラインは大ヒット。以来、<PENDLETON>のシャツは、その最上級の品質で、揺るぎない地位を保ち続けています。

 

左から1945年、2015年の染め過程とクラフトマンたち。

 

高品質な素材と最上級のクラフトマンシップ

<PENDLETON>のシャツは世代を超えて受け継がれ、親から子へ、さらには孫へと物理的に伝え続けられます。それほどまで長いあいだ着続けられる秘密は、いったいどこにあるのでしょうか?

そのすべては、原材料から始まります。ウールは自然界初の高性能素材であり、その繊維はとても弾力性に富み、ウール製の衣服は形状を保つためしわに強く、ハードな使用にも耐えることができます。ウールは最小の重量で最大の暖かさを提供し、その光沢は永久に褪せることがありません。また、他のどの生地よりも染料をよく吸収し保持するため、<PENDLETON>のチェック柄は何世代にもわたってその鮮やかさを保ちます。さらに、水や汚れをはじき、臭いにも強く、他のどの繊維もこれほどさまざまな重さや質感、仕上げや色合いに紡いだり織ったりすることはできません。

私たちは、この驚くべき繊維を1909年からオレゴン州ペンドルトンの工場で、1912年からはワシントン州ワシュガルの工場でウール生地に織り上げてきました。これらのアメリカの工場は、創業者トーマス・ケイに始まるクラフトマンシップの伝統を、今でも引き継いでいます。ケイは1863年にオレゴン州セーラムに来たイギリスのマスターウィーバーで、ミシシッピ川以西で初めて梳毛ウールのボルトを製造する工場を開きました。

<PENDLETON>の変わらぬスタイルは、質の高いシャツ作りの伝統への深い敬意に基づいています。私たちは、あらゆる季節に適したさまざまな生地で着心地のよいシャツを作り続けていますが、そのすべては100年前、100%バージンウールを使用し、世代を超えて長く着用できるように作られたシャツから始まったのです。

 

 

かつて「ザ・ペンドルトンズ」として活動していた「ビーチボーイズ」が、1962年発売のアルバム『surfin’ safari』でBoard Shirtを着用。後に続くサーフカルチャーのユニフォームとして定着した。

 

 

ライフスタイルを色鮮やかに彩り、カルチャーを形作る

メンズアパレルがフルラインナップされた1929年には、ハンティングシャツとして知られる「Sport Shirt」ラインなども加わり、郊外型のライフスタイルが定着してきた1949年にはレディースアパレルがフルラインナップされると、シャツを中心としながら<PENDLETON>はアメリカを代表するライフスタイルウェア・ブランドとしての地位を確立していきました。

さらに、1959年に洗濯可能なウールの開発に成功。同生地で作られた青地の「Board Shirt」は西海岸の若者を中心に大ブームとなりました。カリフォルニアのバンド「ザ・ペンドルトンズ」は、バンド名を「ビーチボーイズ」に変更し、1962年に発表した彼らの初アルバムのカバーにはおなじみの青いチェックのウールシャツが登場し、サーファーのユニフォーム的な存在として現在に続くサーフカルチャーを形作っていきます。

さらに1963年のザ・マジョレッツによる夏のアンセム「WHITE LEVI’S」の「My boyfriend’s always wearin’ white Levi’s… and a big plaid Pendleton shirt(私の彼氏はいつも白いリーバイスを履いていて…そして大きなチェックのペンドルトンシャツを着ている)」という歌詞は、サーフスタイルがティーンのスタイルとして定着したことを物語っています。

サーフカルチャーから始まった<PENDLETON>と音楽の繋がりは、その後はジャンルを超えて広がり、その後もニール・ヤングやニルバーナのカート・コバインなどが着用することでフォークやグランジなどのロックシーン、スヌープ・ドッグやサイプレス・ヒルなどのアーティストの影響でヒップホップシーンに、さらにはレディ・ガガやBTS、そして日本ではSEKAI NO OWARIなどが着用することでポップス&ファッションシーンにも広く受け入れられてきました。

ワークシャツとして誕生し、ブランケットと共に<PENDLETON>の重要なアイデンティティであり続けるシャツは、ライフスタイルを彩りながら時々のカルチャーを形作る存在として、100年の伝統を軸足にこれから100年の物語を紡ぎ続けます。

 

 

2024年、『A Century of Shirtmaiking』を記念して発表されたカプセルコレクション。

 

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